美容医療業界でも注目を集めているマンジャロは、糖尿病治療薬として承認された医薬品です。主に血糖値をコントロールする作用や、食欲を抑える効果が期待されています。
「話題になっているけれど、実際どんな薬なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。また、副作用や使用時の注意点など、不安に感じるポイントもありますよね。
そこで今回は、医師監修のもと、マンジャロを実際に使用した体験談をご紹介します。副作用の経過についても記載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
長崎大学医学部卒業後、形成外科医として国内外で研鑽を積む。「やまもと形成外科クリニック」開院。日本形成外科学会専門医として学会活動に尽力し、形成・美容外科の発展に貢献しています。
Mignonの管理人。プチプラからデパコスまで多くのコスメを使用してきました。コスメコンシェルジュ・化粧品検定1級を取得。最近はスキンケアについて勉強中です。リアルな使用感を伝えるのが得意♪
マンジャロはどんな薬?

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病の治療薬として承認されたGIP/GLP-1受容体作動薬のこと。GIPとGLP-1、2つの受容体に作用することで、血糖値のコントロールや食欲の抑制、消化器官の働きの調整が期待されています。
マンジャロは、すい臓にあるGLP-1というホルモンの働きを強めインスリンの分泌を促進する薬です。これにより、食後の血糖値の上昇を抑えることで、食欲を抑制し、食べ物の胃からの排出を遅らせる作用もあります。
GIPとGLP-1とは?
GIPとGLP-1は血糖値を下げる働きがあるホルモンです。どちらも食事をしたときに分泌され、血糖値の上昇を抑える役割を果たします。
GLP-1は胃の排出をゆるやかにし、満腹感を持続する働きがあるとされています。体重管理への効果が期待され、「痩せホルモン」とも呼ばれることも。一方、GIPはエネルギー代謝に関わる作用があり、食欲を多面的にコントロールする働きが期待されています。
- 脳に働きかけて食欲を抑制
- 胃の働きを遅らせ、満腹感を持続
- 血糖値の上昇を防ぐ
- 脂肪細胞の分解を促進
*参考:DMMオンラインクリニック
マンジャロの使用方法は?
マンジャロは、自己注射で使用する治療薬です。SNSなどで「マンジャロ 飲む」といった言葉を見かけますが、マンジャロは飲み薬ではありません。正しくは医師の指導のもと、皮下注射で使用する薬剤です。
なお、詳しい使用方法や注射部位については、必ず医療機関で説明を受けてください。
私はお腹や太もも、二の腕など皮下脂肪が多い部位に打つよう指導を受けました。かなり極細の針なので、チクッとする程度で強い痛みは感じませんでした。しかし、自己注射に抵抗がある方は難しく感じるかもしれません。

マンジャロの副作用は?

マンジャロの副作用は、初めて使用する場合や投与量を増やした際に起こりやすいといわれています。主に消化器系の症状が出やすく、稀に低血糖症(めまい・震え・冷や汗・意識低下)や急性膵炎、胆嚢炎など重篤な副作用が起こるケースも報告されています。
気になる症状が出た場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。
マンジャロは、吐き気・嘔吐・下痢・食欲減退・頭痛・疲労感・胃部不快感などの副作用がありますが一時的なことが多いです。また、吐き気がある場合は脂っこい食べ物を避け、食事の量を減らすと効果的です。重篤な副作用が稀に起こりますので、医師の指導のもとで使用することが大切です。
実際に使用した副作用は?
マンジャロにはさまざまな副作用が報告されていますが、実際にどのような症状が現れるかは個人差があります。ここからは、私自身が使用した際に感じた副作用についてご紹介します。
マンジャロ1日目
昼食の2時間後に投与し、2〜3時間後に軽い胸焼けがありました。夕食の時間になっても空腹感はほとんどなく、いつもの1/3程度の食事量に。就寝前に軽い動悸と倦怠感が現れ、いつもより寝付きは悪かったです。
マンジャロ2日目
朝は軽い吐き気があり、食欲はほとんどありませんでした。投与から24時間ほど経過した頃に頭痛と筋肉痛のような症状が現れ、その日の就寝前まで続きました。体が重く、ほとんど動けない状態に。ゼリーやフルーツなど、喉を通りやすいものだけで済ませました。
マンジャロ3日目
起床時は、風邪をひいたときのような体のだるさがありました。二日目よりは食欲が戻りつつありましたが、実際に食べられた量は普段の1/3程度。昼頃にはだいぶ体調も落ち着き、在宅の仕事は通常通りこなすことができました。
マンジャロ4日目
起床時は、引き続き倦怠感やだるさがありました。一日を通して常に軽い疲労感があり、空腹はほとんど感じません。食事はフルーツやヨーグルトなど、軽めのものだけで済ませました。また、湯船に浸かった際には、いつもより体力が落ちたように感じました。
マンジャロ5日目
寝起きもよくなり、倦怠感やだるさはほとんど感じませんでした。食欲も戻ってきましが、普段通りの量を食べると気持ち悪くなってしまうため、食事は少なめを意識しました。とはいえ、日常生活にはほぼ支障がなく、通常通り過ごすことができました。
マンジャロ6日目
体の不調はほとんどなく、快適に過ごせるようになりました。しかし、食欲は湧かず、食べる量が自然と減るため、周りからは元気のないように見られることも。個人的には空腹時のストレスがなく、過ごしやすく感じていました。
マンジャロ7日目以降〜
徐々に食欲は戻ってきたものの、投与から2週間程度は普段より空腹を感じませんでした。1週間を過ぎると「3食のうち1食は頑張って完食できる」状態が続いていました。また、異常なまでに喉が渇き、1日で約4ℓの水を飲んでいた時期もあります。
マンジャロは通常、週1回・同じ曜日に投与することが推奨されていますが、私の場合は2週間ごとの投与を指示されました。特に初回は副作用が出やすいため、必ず医師の指示に従ってください。
実際に使用した感想は?
私は医師の指導のもと、2.5mgから投与を開始しました。約2ヶ月で4本を使用しましたが、現在も投与量に変更はありません。
体の変化を感じ始めたのは、マンジャロを使い始めて1ヶ月ほど経った頃。数ヶ月前にパツパツでボタンが弾けそうだったデニムが、すんなり履けるようになりました。在宅勤務でほとんど運動もしていなかったので、自分でも驚きを隠せません。
初回の投与から2〜3日は体調が辛かったので、できるだけ休める環境を整えておくと安心だと思います。何度も繰り返しますが、マンジャロは医薬品です。必ず医師の指導のもとで使用してくださいね。